マームと誰かさん・ふたりめ 飴屋法水さん(演出家)とジプシー 清澄白河 SNAC

青柳さんは目の前で立っていても幽霊のように遠くて、飴屋さんは近くに感じました。
本当は青柳さんが進行形で、飴屋さんが止まってしまった現実から過去へ戻ってたのに。
語りによって生じる空気と醸し出す存在が一気に距離を変えてしまう、そんな凄みが静かにゆっくりと強く伝わってきました。
青柳さんはふわりふわりと動きながら偶然見てしまった事故の様子を繰り返す、飴屋さんは自分自身に起きた不幸を全身投げ出して繰り返す。
ここで最初に感じた、遠いと近いの存在が入れ替って見えてきました。
青柳さんの心の中は冷静ではないはずだけれども距離を保つような口調が、飴屋さんはフロントガラスや地面に叩き付けられる度に魂が抜けてくのが見えそうな気がするくらい、遠かったです。