三太コンサート 青山ブックセンターHMV渋谷店内ギャラリースペース

出演:杉本拓、角田俊也、吉村光弘

空調音が際立つ、白い壁に囲まれた空間。
吉村さんは椅子に座ったまま。
フィードバック音を放つヘッドフォンと共に床に置かれた本を時々捲る。
小型ブザーを鳴らしつつ、そこに鉄の細い棒を差し込んで反対側に引っ張り出す行為を続ける角田さん。
素材が剥き出しなせいかエロティックに見える。

チラシや文庫本を壁や床に擦り付け、ゆっくり進んで行く杉本さん。
こんなに動いてるのは初めて見た。
耳を澄ましながら丁寧に拭き掃除をしている感じがして面白いながらも、擦り音の強弱がけっこう心地いい。
同じ空間にいながら全く接点無く、すれ違うことなく日々の生活を送っている3人という感じがした。
でも頁の捲られた本、床に置かれた引っ張り出された棒、擦られた壁や床は通り過ぎた3人がその時点で残した跡として共存しているように見えた。