ガス・ヴァン・サント 「パラノイドパーク」 シネセゾン渋谷

映画「CONTROL」の話をしていたら、なんとなく勧められた作品。
だから、なんとなく観に行ったら凄かった。
パラノイドパークで滑るスケボー少年達の映像がゆっくりと流れながら、破片をちりばめたように繊細な音が降ってくる。
きれいだから、自分がパラノイドパークに行ったような記憶にしたくなった。
でもアレックスの秘密を知ってしまってからは一気に現実に引き戻されてしまって、あの場面を余計に忘れたくない気持ちになった。
そんなことを思いながらも、何から考えたらいいのか、誰に話せばいいのか、黙っておくべきなのか、このまま時間が過ぎてゆくのか、どう動けばいいのか、言葉で表せないアレックスの彷徨う気持ちがスクリーンから滲み出てるのを観てると、どうしようもなく重くて辛い。
しかも答えは無い・・・

映画館で売切れてたサントラを聴いてみたくって、タワレコに行った。
国内仕様盤が切れてたので、HMVに行ってみようとエスカレーターを降りたら、右方向のレジで「パラノイドパーク」をなんとなく勧めてくれた人が偶然買物をしていた。
しばらく話した後、その人は足早に雑踏の中へと消えて行った。
その後姿を見ながら少しだけ重くなくなった自分の心を感じた。