エクスペリメンタル・サウンド・プログラム#02 横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール

出演:ウィリアム・ベネット、角田俊也/ルーク・ファウラー、マーカス・シュミックラー、美川俊治

最初は、角田さんとルーク・ファウラー。
1・鉄パイプを卓に置く→2・置いたまま自分側にずるずると引き寄せる→3・最後まで引き寄せた後、きちんと床に落とす→4・ボイス(朗読っぽい)が入る
という行為の繰り返しなんですが、鉄パイプの全長が段々短くなってくるのと、ボイスの内容は全部違ってました。
時間軸の上で、1〜4までをイン点(又はアウト点)を打ってる様な感じっていうのでしょうか、行為でその瞬間の時刻を刻んでるようでした。
そのせいか、動きがゆっくりと明確に行われてるように感じました。
1のはめ込む様に置いた時のブツッブチッっという接触不良系の音と、3の落とした時のガシャーンと響く鉄そのまんまのような音が澄んでるのに対して、2の引き寄せてる音(?)と4の声がくぐもった感じに聴こえたのも面白かったです。
続いて、マーカス・シュミックラー。
暗室で混ざりに混ざったデジタル音の洪水を浴びてる気分でした。
音の動きがなぜか、まっくろくろすけの大移動を思い浮かべてしまいました。
最後は、ウィリアム・ベネット。
4年程前に青山CAYで見たときは観客もえらい盛り上がるエキサイトっぷりが面白く、今回もシャツを脱ぎださないかこっそり心配だったのですが・・・
いえいえ、体内をドクドク流れてゆくようなすごくきれいな音で、イスに座ったまんまで体揺らしてしまいました、もう感動です。
その割に尺が短く放置して出て行ったので、どうしたもんかと思ってたら美川さんを連れて再び登場。
ベネットの演奏に対して、美川さんの体丸ごと全部から放電しそうな熱さがものすごかったのと、音はどれだけ重なって混ざりあっても、お互いの領域を侵さないようなストイックな感じがきれいでした。


※写真 横浜赤レンガ倉庫1号館