「SANTA」、「TRIO」 CD発売記念ライブ 千駄ヶ谷Loop-Line

出演:杉本拓、角田俊也、吉村光弘、大蔵雅彦

最初は吉村さんと大蔵さんのデュオ。
吉村さんの虫の様なフィードバック音と大蔵さんの呼吸のような演奏。
「虫」対「人間」なら見るからに大きさなんかの差がありすぎるけれど、「虫」対「人間の呼吸」だったら、ささやかな感じがしてあまり差が無いような気がするかもと思って、そんな勝手なイメージを持ちながら聴いていました。
吉村さんのどんどん繁殖していくようでもある、途切れたりすることのない半永久的な音に対して、大蔵さんの呼吸が乱れたような、その瞬間でしか味わえないような(再現し辛い)音が、デュオでありながらも反発しあうような感じがして面白かったです。
その反発した感じが、どちらの音もはっきりと主張されて聴き取れたのかもしれないなぁと思いました。
休憩後は、杉本さん、角田さん、吉村さんの三太トリオ。
杉本さんはギターで数音を繰り返す、吉村さんは微動だにせずフィードバック音、角田さんは会場の壁に漏斗、軽石なんかを充ててずらしながら音を出していました。
ちょっと話が逸れますが、杉本さんの数音のうちの一番低音のゆれ具合がすごくきれいで、聴こえる度にちょっと嬉しかったです。
前回(2007年5月渋谷ABC)見た時は、3人が同じ場所でいるのにも関わらず全然接触が無いように思えたのですが、今回は杉本さんが時間の流れを、角田さんが空間の存在(=擦る音)と大きさを、吉村さんがその空間に存在する何か(例えば生物)をという感じで、3人で1つの世界を表現されてるように見えました。
ライブの後は座談会。
批評、iPod、三太、音響系、即興等、いろんな話題で盛り上がりながらも、角田さんの少し抑えた感じ、杉本さんの炎上に近づきそうな感じ、吉村さんの意外とクールな感じ、という風に、お三方のタイプの違いが見えてくるようなトークで面白かったです。