FRED FRITH & AHMAD COMPAORE 六本木Super Deluxe

出演:フレッド・フリス、アマッド・コンパオレ、大友良英
ハケやブラシでギターをなでたり、灰皿でこすったりボールを入れたり、ネックレスをギター上の缶の中にたらす、マイクを付けたレコードを引っ掻く、ギターを弾く、丸めたタオルをドラムに投げる、ビニールをぐしゃぐしゃにする、ギターのネックと弦の隙間に鉄棒を刺し、たたく・・・
いろんな音の出し方をされてて、たくさんの種類の音が絶え間なく、隙間無く聴こえてきました。
無音に近い状態を感じたのは、最後のフェードアウトしていく時だけだったと思います。
最初は奏法を眺める余裕がある穏やかさだったのが、徐々にエモーショナルな音がどっと押し寄せてきて、最後は波がすーっと引いてゆく感じでした。
3人の大人しいパワフルさが、かっこよかったです。
大友さんは演奏しながら、フリスの様子を何度も目で追っているようでした。
フリスは演奏しながらも、ゆったりした姿で次は何をしようかと考えてる様子(?)が時々感じられました。
演奏中にフリスが灰皿に入れていたボールを落としてしまったので、ここから即興を更に塗り変える即興が始まるんだという感じがして、ちょっとどきどきしながら見てました。
最後のフェードアウトの辺りも、これで終わるのかな?もしかして・・・と緊張しながら、凝視してしまったり。
でもこのほんの少しの時間がけっこう面白いなあと思ったりもします。
たまたま数日前にブランドルマイヤー、ダフェルデッカー&フェネスのCDを購入できました。
即興演奏したものを素材に編集・アレンジされてる楽曲も入ってて、即興でなくなってしまったというのが気になりました。
前日には三軒茶屋GRAPE FRUIT MOONで、石橋英子 with 坂本弘道千住宗臣という組み合わせの即興ライブを見たのですが、メロディアスなピアノとアブストラクトなチェロとドラムがすごくしっくりきてました。
トリはテニスコーツだったのですが、例え同じ曲を演ったとしても似たような印象を持つことがほとんど無く、独特な即興に近い感覚を持ってしまいます。
どこまでが即興っていうんだろうと時々思うけど、思うだけでいいような気が少ししました。
話がそれますが、今回は口をあけたら自然とほわっと出てきたさやさんの声と、水中でふにゃ〜と身を委ねた気分になった植野さんのギターがだんとつ美しい"Marline"がよかったです。


※写真 "till the old world's blown up and a new one is created " is a project by Martin Brandlmayr. Werner Dafeldecker and Christian Fennesz