Annette Krebs Kid Ailack Art Hall (2日目)

出演:Annette Krebs、大友良英宇波拓

1セット目は、アネッタの声の素材が一番手前に存在するような感じ、その少し後ろ(奥)で宇波さんがギター等をはじく音、そしてそれらの音が放たれる空間の背景の役目として、大友さんの韻が漂う輪郭のにじんだような美しい音が聴こえてきました。
3人がほぼ横一列に並んで演奏されてるのに、耳に入ってくる音の印象で、私の頭の中が勝手に遠近法で描かれた絵画に置き換えてしまったようです。
だから会場の囲まれた空間で演奏しているというより、壁も何にも無い広い景色が見えてくる気がしました。
2セット目は、3人とも音を出している手の動きがクローズアップされてるように思えました。
手拍子、寝かせた弦楽器をこする、床に置いてある楽器ケースのフタを勢いよく閉める、机や楽器を強めにたたく・・・だんだんとテンポよく手の動きも勢いづいてゆく感じや、次々と音の無い状態(隙間)を埋めてゆくような勢いもあって、でもお互い全く干渉せずに演奏されてる風に見えたりもして面白かったです。
全体を通して、アネッタの演奏時の体の動きが特徴的でした。
出していた音が切れた(消えた)瞬間が聴こえなかったとしても、その瞬間がアネッタの動きでわかるような表現で、演奏をするというよりは "音=アネッタ自身"って感じがしました。


※写真 休憩中の宇波さん