「はずみ」 原宿 VACANT

出演:梅田哲也
すかーんとした会場で、素材や道具を運び込んできては準備中のように黙々と作業をする梅田君。
1つに集中するわけでなく、途中で配線変えて移動させたりして、またそこに新しい音具を生み出したりと、あらかじめの考えをリアルで次々と変化させながらの即興ライブ。
筒の釜鳴りから始まると、その時点ですっかり梅田君の空間になってました。
扇風機に煽られた風船が、吊るされたほうきでゆっくりと押さえつけられる頼りない動きが気になって目で追いながらも、手前壁から奥の壁にピアノ線のようなものを張って、スピーカー付きの筒をクリップとコイルばねのようなもので吊るすように設置されたものに注目すると、これがものすごいドローンを奏でるのです。
微妙な変化も生々しく拾い出して、こんなにぞくぞくする気持ちのいいノイズは久しぶりに聴いた気がします。
その後も火と鉄棒とドライアイスを使った理科っぽいのにロマンチックにも見える、自分は見たことのなかった音具なんかも登場したりで、約90分わくわくしながら空間が模様替えされてゆくのを見てました。
一応自由席(床に座布団)だったのですが、作業上邪魔な位置に座ってしまった私は何度か移動したりして、それもまた緊張感あって楽しかったです。