ヘンリー・ダーガー「少女たちの戦いの物語-夢の楽園展」 原美術館

ダーガーの長編物語「非現実の王国で」を題材とした作品展。

煙のような入道雲や画面を覆い尽くすような無数の植物、何故か男性器のついた裸の少女達、子供達を守るBLENGINSという動物等、空想ならではの世界・・・と言うだけでは勿体無い迫力。

ほとんどベタ塗りにしか見えない植物も楽園で咲いているという平和な暖かさ、BLENGINSも人間の顔に蛇の胴体と羽が付いたような一見不気味なんだけど決して敵には見えない何か、コマ送りみたいに羅列された少女達や戦いに出てくる馬なんかの動きの激しさ、速さなんかがすごく滲み出てくるような絵画でした。
ダーガーの孤独と引き換えに没頭した創作魂が籠もっているような感じ。

とうとう最後まで会えなかった妹への想いもずーっと残ってるんだろうなぁと考えながら歩いてると切なくなってきた、さわやかすぎる晴天の午後でした。

※写真右 少女のイメージデザート