EXTENDED SENSES 拡張された感覚―日韓メディア・アートの現在 ICC

出品作家:パラモデル、梅田哲也、毛利悠子、渡辺水季、MIOON、イ・ジャングォン、ジン・キジョン、Hoonida-Kim、キム・ドンホ、イム・スンユル、カン・キュンキュ
しばらく前に学芸員の畠中さんに偶然会ったのですが、あまりにも久しぶりな感じがしたので、その感じの流れで久しぶりにICCへ行ってきました。
毛利さんの「対話変速機」は正直おもしろかったです。
「ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ、エン(=00000円)が・・・」という感じで、既に当初よりかなり変化されてるであろう音声(テキスト)が、女性自動音声棒読み風で読み上げられるのをひたすら聴いてると、けっこうおかしな気分になりそうなんだけど、それでも立ち止まって変化され続ける音声(テキスト)を目で追いながら声を聴きたくなってしまうという、かなり魅力的な作品でした。
梅田君の「門州」は、ライブでの音具をちょっとインテリア風に仕立てた、壁は無いけど天井の高い小さな部屋のような空間でした。
扇風機、鳥かご、回すチャンネルのテレビ等、ガラクタ寄せ集めた感じだけど、何気にグリーン系で統一されてたり、チープさ漂ってるのが不思議とかわいいです。
よーく近づくと火花がパチパチっとしてるのが見えたり、微かに金属が触れ合う音がしたりとか、ライブの音具より気付きにくい、ひそやかな感じが個人的にはすごく気に入りました。
もう1つ面白いなあと思ったのが、MIOON「ツーリスト・プロジェクト」。
羽と風をうまく使って、あまりにもあっけなく旅行者を吹き飛ばす様は、作者の説明を飛び越える速さで表現されてる感じがしてすごいなあと思いました。
なんとなく日本の作家作品は形の見えない感じ、韓国の作家作品は輪郭のはっきりした感じという印象でした。

オープン・スペース2008では、石井陽子+中茂睦裕+小林稔さん「情報を降らせるインタフェース」が楽しかったです。
手のひらに木漏れ日受けるような感じで映像を受け取って、混ぜたりして、そこから生まれてくる物語。
映像も音も、記憶の片隅をつつかれる様なノスタルジックさがたまらなく気持ちよかったです。
あとはカールステン・ニコライの「invertone」にハマってしまいました。
ホワイトノイズを2回、しかもたっぷり浴びてきましたが、ブラインド・スポットがどうしても見つけられませんでした。
自分がアシンメトリーなのを改めて思い知らされましたが、懲りずにもう1度捜してみたいです。