ジョン・ルーリー ドローイング展/トカゲラウンジの3人の住人たち 外苑前 ワタリウム美術館

高校生の頃、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」と「ダウン・バイ・ロー」を観に行きました。
その時以来かもしれません、ジョン・ルーリーに触れるのは。
映画は、絵的に無駄の無い素朴さが、登場人物を印象づける感じがしました。
でも今回は、エレベーター降りて作品に近づいた途端、作者の顔が浮かんでくるのではなく、絵具のにじんだところとか、混ざり具合が最初に入ってきました。
すごく自然体(で描かれてるんだろうなぁという想像)な感じで、きれいでした。
しばらく続けてきた描くという行為を、忙しさのあまりやめてしまって、この先描こうという気はいつか起こるんだろうかと密かに不安になっていた自分を、一瞬にして奮い立たせてもらえたような気がしました。
それと同時に、自分はなんて力(りき)んで描いていたんだと気付かせてもらえたようで、それも嬉しかったです。
この日は、20時から3人の住人たち(大友良英さん、飴屋法水さん、山川冬樹さん、スペシャルゲスト:くるみちゃん)のライブがありました。
家の中(のような背景)で演奏がはじまりました。
お茶をする、テーブル傾ける、寝る、歩き回る、買物袋をかぶる、ギター、バンジョー、心臓、ホーメイカリンバ、小さな鉄琴、画鋲、毛糸、大きな鈴(りん)のようなもの、床に散らかったものを踏んだり、蹴ってしまったり・・・と日常的な動きや見慣れた物が多いのに、音は耳慣れない感じがしました。
靴下干してる時とか、毛糸をくもの巣みたいにあちこちに張っている時は音が聴こえなかった(ほぼ音がしない)んですが、それなら自分で想像してもいいし、聴こえないまんまでもいいんだ、と思いました。
最後の方は、飴屋さんの「することなくなったー」がきっかけでトークへ。
住人たちの生声も演奏の一部、と思いながら聴いていたお話はえらくゆるかったけど、ライブ中で一番暖かい音に聴こえました。