BLANK MUSEUM(29日) 品川 原美術館

最終日、行ってきました。
以前JON(犬)さんを見た時はユニークで素敵な暴走という印象があったのですが、今回は幼稚園でJON(犬)先生が演奏して、(私達観客)生徒が聴いているという感じに見えました。
見た目とのギャップあるかわいい声がいいです。
そして、マイア・バルー。
庭で観客がだら〜んと芝生に座っているのんびりした光景と、いろんな国を織り交ぜたような貫録の或るステージが妙に合ってました。
ホナガヨウコ企画は、外や館内をふわりふわりと飛んだり踊ったりしながら大移動という、会場をうまく使ってて面白いんだけど人が多くて全部見れなかったのが残念。
次は、種子田郷+さとうじゅんこさん。
バリバリと美術館の壁が剥がれてゆくようなイメージを持ってしまったのですが、ものすごくスケールを感じる電子音にさとうさんの空に突き抜けそうなヴォイスがきれいでした(ちょうど演奏が始まる頃、うっすら虹がでていました)
そして、東野祥子さん。
東野さんの動きそのものを中原昌也さんのノイズで表現してるという感じがして、ピタリと馴染んで見えました。
中原さんがON-Uのシャツを着ていた気がするのも気になりました。
夕方になってきて、テニスコーツ
座った観客で埋もれた庭の隙間を、さやさんがマイク片手に歩いて唄う。
ぼーっとしてると、どこにいるのか気付かないくらい。
植野さんのギターにぷりぷり君がマイクをずっとあてがって付き添う姿も笑えたのですが、「おいでの海」が始まると(←大好きな曲なので自分もわくわくしてました)"飴屋法水たち"ではなく、"くるみたち"(子供3人)が演奏してるそばで走り回り、声をあげ、転がるわ、植野さんとぷりぷり君の間をすり抜けるわと、演奏(というのかこの空気)に反応してるとしか思えないようなミラクルな展開。
見てる側としては興奮してしまったけど、演ってる側はちょっとやり辛かったかなと思えるくらいの密着度でしたが、後で聞くと植野さんはものすごく喜んでました。
こんなに予定外な、こんなに自然な光景を見ることができて、最高に嬉しかったです。
先日の算数塾で出来上がったという曲も、気付くとすーっと入り込んでましたという素朴さがよかったです。
次は、(本当に)飴屋法水たち。
渋谷ネストでの空間現代ヴァージョンをきめ細かく大胆にしたような印象でした。
会場全体を思い切り使ってるので、四方八方から飛び交う言葉や音の響きが避けきれずにのしかかってきました。
目の前で繰り広げられる幻想であってほしいものが、容赦なく現実味を帯びてくるような。
恐ろしくてたまらないはずなのに、ふと孤高の美しさも見えてきたような気がしました。
最後のエミ・マイヤー feat. Shing02は、しっとりとした締めくくりで、少し落ち着きました。


※写真左 HOSE、右 BLANK MUSEUM