おもいのまま 東池袋 あうるすぽっと

演出:飴屋法水
出演:石田えり佐野史郎、他
舞台と距離を保ったつもりで冷静に観始めるんだけど、徐々になんでこういう流れになってしまうんだろうとか、身の回りの出来事のように見えてきて、このへんで止めてくれないとつらいかもって状態まで引っ張られて、最後の最後になってホッとしたわけでもないのに涙がつつーっと垂れてきました。
でも、この涙は否定的な意味を持ったものではない、というのは言い切れます。
思い出すように流れる"モエレ"が物悲しいだけでなく、何度も呼び覚まされるような気になるのと、さやさんの空を漂うような声が現実と虚構の境界を壊すようで、自分の目の前で繰り広げられてた出来事の必ずこうなるという確定できない流れの危うさをも象徴してるような、そんな感じが恐いというより、この空間全体に揺さぶられるような感覚は、ものすごく飴屋さんの表現だという感じがして。
飴屋さんの作品を観る度に、他人や空間を通して自分の事を深く思い知らされる感じになって、誰とも口をきけなくなるくらい気持ちが見事に引きこもってしまう(=自分の中に集中してしまう)ので、挨拶をしようと帰りにしばらく待ってて結局会えなかったのは、ごく自然な流れだったのかも・・・と思いました。