「わたくしという現象」 ロメオ・カステルッチ、「じめん」 飴屋法水 新木場 都立夢の島公園内多目的コロシアム

観客が入場の為に白い旗(座席シート)をなびかせ、円形の会場をぐるりと回っている光景を見てると、弔いの儀式が始まってるよう。
「わたくしという現象」は、野外ならではの星や流れる雲、揺れる木々や草等・・・そこにあるものに、光や霧や人間やイスの波がうっすら挿し込むような、どんな風にトリミングしても絵や映像に見えてくる抽象的で儚い美しさを思いました。
休憩をはさんで、「じめん」・・・といっても、繋がって見えてくる二つの作品。
人の一生と、飴屋さんが長年発表されてきたたくさんの表現を、同じ時間軸上に走らせて観ているような感じでした。
会場で見えるものだけでなく、聴こえてくるもの全て(音、音響、語り、声etc...)にも心が存在するような表現で、ものすごく響くし、揺さぶられました。
最近自分が考えてた、いずれ消えてゆくのはわかっていても、その事実を受け入れられるのか・・・という感じと近い気がして。
でもそれを目の前で思いもかけずに観てしまうと、どうしていいのかわからないのに反応だけして、涙というものに変換されたんだと思います。