おかえりなさい、うた Dusty Voices , Sound of Stars 恵比寿 東京都写真美術館

演出:生西康典
しばらく会ってないさやさんにメールしたら、ちょうど美術館に行く前日に返事をくれました。
読んでいるだけで、声とか姿が目の前にポンと浮かんでくるような文言で、飛び出てきそうでした。


会場は、四角い箱のような腰掛けと照明とスピーカー等、がらんとした空間。
作品の終りとあたまの区切りがわかるかどうか心配だったので、早めに座っていたら終りのアナウンスが入りました。
その後、10分前からおまけの音がはじまりました。
さやさんの秒読み、1秒がやたら長くてなんか可笑しい。
この時点で、時間の速度がざっくり書き換えられて、部屋出るまではその速さで流れてた。
出演者の姿は見えないけど、知ってる(ような)声がたくさん聴こえてくる。
照明の明滅が、声の主の存在や形をあらわしてるみたいにふわふわしてました。
目をつむって音を聴く姿勢が楽かなと思ったけど、姿が見えなくなってしまうような気がして、目を開けて明かりを見る。
さやさんは読んでいるはずなのに、目の前でいつものように唄ったり話してるよう。
飴屋さんは、紙を丸めたみたいにくしゃくしゃに話してました。
見えてないのに、しわとか、ぽわぽわした感じとか、いろんなものが見えてきそう・・・見えてくる。
だんだんと自分が人の会話を立ち聞きしてる距離くらいまで近づいてくのに、90分後にはそこを振り切って立ち去らなければならないのかなあと。
そんなぐらい、惹き込まれてました。
だから、うれしい気持ちを抱えたまんま部屋を出ていった事は、今でも覚えてます。